周波数変動を抑えるガバナフリーについて

今回は前回ご説明の慣性力に引き続き、電力システム(系統)の周波数をコントロールする方法の一つとして「ガバナフリー」についてご紹介いたします。設備の役割についても理解が深まると思いますので是非読んで見てください!

ガバナフリーとはどういうものでしょうか?その前にまず「ガバナ」というものを説明させてください。ガバナとは「入力を調整して回転機の速度を一定に保つ装置」のことを指します。汽力発電設備であれば、蒸気タービンに送り込む蒸気(入力)の量を調整してタービン(回転機)の速度を一定に保つように制御する加減弁という設備が該当します。

図1 加減弁と蒸気タービン

蒸気タービンは発電機を回す役割を担っています。系統からの周波数が下がったとき、発電機の回転数は下がりますが、これに応じるように加減弁の開き度合を上げてやれば多くの蒸気を蒸気タービンに送り込むことができ、その回転数で発電機の回転数低下をカバーすることができますよね。

このガバナによる調整を周波数に応じて自由にできるようにしているものがガバナフリー運転と呼ばれているものです。逆にガバナの動きに自由度が低く、負荷制限器(ロードリミッター運転)と呼ばれるような装置が働いている場合には、周波数の変動に対応できないということになります。但し、ロードリミッター運転でも周波数が大きく上昇すれば、タービン発電機の過速度保護のため、加減弁を絞る機能はバックアップとして働きます。

周波数が下がったら、加減弁を開き方向に、周波数が上がったら、加減弁を閉じる方向に自動的に制御することで、ガバナフリーでは数十秒から数分単位の比較的短い周期の負荷調整が可能になっています。どのくらいの周波数が変動した時に、加減弁がどの程度動かして調整するべきかということは、調定率(ちょうていりつ)という数値で定められています。通常は4~5%程度の間で設定されていますが、例えば調定率を4%に設定している場合、周波数が4%上昇(もしくは下降)したら、加減弁の開度を100%相当絞る(もしくは開く)ように動くようになっています。比例制御で動いているので、周波数の変動を抑えることはできますが、元に戻すことはできません。周波数をもとに戻すためにはLFC(負荷周波数制御)やELD(経済負荷指令)などより大きな負荷調整が必要になるのですね。

いかがでしたでしょうか。引き続き、お役立ち情報を発信してまいりますので是非ご意見・ご要望などコメントをよろしくお願いいたします!

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