初めてガスタービンの設備担当になったら読むガスタービンの基本の「キ」① ~ガスタービンの仕組み~

本シリーズでは、初めてガスタービンの設備担当になった方に向けて、ガスタービンの基本的な知識を説明していきます。

今回は、初回ということで「ガスタービンの仕組み」について、簡単に説明します。 出来るだけ平易な言葉を使って説明していきますので、ガスタービンという機械についてまずは大まかなイメージを掴んでいただけたらと思います。

0.イメージ

ガスタービンはエンジンの一種です。身近なもので言うと、皆さんが乗られる飛行機のエンジンが挙げられます。あ、プロペラが付いていない飛行機をイメージしてくださいね。

今回説明する発電用ガスタービンは、飛行機出口から出ている高温ガスの中に羽根車を付けて、発電機を回しているイメージです。飛行機エンジンの前に進む力を、発電用ガスタービンでは回転力に変換して発電しています。

1.ガスタービン内の空気・燃焼ガスの流れ

ガスタービンの全体の流れを示したものが、以下の図です。(※数字は17MW級ガスタービンを例として記載しております。)

吸込んだ大気を、空気圧縮機にて圧縮し、燃焼器で燃やし、タービンで膨張させてエネルギーを取り出し、排気部から排気ガスとして排出します。

ガスタービン全体の流れ

2.吸気

まずは吸気についてです。最初に吸気口から空気を吸い込みます。

上図のガスタービンでは上吸込みですが、下から空気を吸い込むこともあり、他の機器との兼ね合い等で構造が決まります。

吸気部

3.圧縮

続いて圧縮についてです。空気圧縮機にて吸い込んだ空気を圧縮することで、タービンで取り出すエネルギーをより大きくすることが出来ます。

空気圧縮機には動翼と静翼があり、静翼から出てきた空気を動翼で掻いて、1段前の静翼部よりも少し狭いスペースに押し込むことで、空気を少しずつ圧縮していきます。圧縮機入り口では圧縮機1段静翼部のスペースにあった空気が、圧縮機出口では最終段静翼部のスペースに収まりますので、圧力と温度が上昇します。

空気圧縮機部

4.燃焼

圧縮された空気は、燃焼器に入り、燃料と混ざって燃焼します。

燃焼というとロウソクのような穏やか炎をイメージされる方もいるかもしれませんが、どちらかと言えば爆発です。それも大爆発。ガスタービンでは、この爆風でタービンを回してエネルギーを得ているのです。尚、この爆風の出口には空気圧縮機とタービンがあるのですが、圧力の高い空気圧縮機側には行かず、全て圧力の低いタービン側へ流入します。

燃焼器の狭いスペースで大爆発が起こっているとイメージすると、かなり過酷な環境であることが想像できるのではないでしょうか。想像通り、燃焼器、及び、その出口であるタービン1段静翼部は、ガスタービンの中で一番ガス温度が高くなる箇所です。温度にして、約1250℃(※)にもなります。

※:17MW級 中小型ガスタービンでの温度。最新の大型ガスタービンでは1600℃を超えることも。

どんなに熱に強い金属でも、900℃を超えるような温度では溶けてしまいます。しかし、この温度が高くなればなるほど出力・効率が上がるので、部品内部に冷却空気を通して内側から温度を冷やしたり、部品表面のコーティングで熱を遮断したり、様々な工夫をしています。(この詳細については改めて別記事にて紹介します。)

こういった工夫をしつつ、出来るだけ温度を高くして出力・効率を高めているため、燃焼器含む高温部品は寿命があり、補修しながらのご運用をお願いしております。

燃焼器部

5.膨張

続いては、膨張です。燃焼器で燃焼した高温高圧の燃焼ガスは、タービンへ向かいます。
この高温高圧の燃焼ガスがタービンを回すことでエネルギーを取り出します。その際、燃焼ガスは膨張し温度が下がっていきます。

タービンにも空気圧縮機と同様、動翼と静翼があります。静翼から出てきた爆風(燃焼ガス)が、動翼を回し、次の静翼で整流し、また次の動翼を回しタービンを回してエネルギーを取り出していきます。

タービン部

ここで、空気圧縮機とタービンを比較したいと思います。

空気圧縮機では、動翼を回すことで空気を圧縮しました。タービンでは、爆風(燃焼ガス)を受けて動翼が回ることで、エネルギーを取り出します。イメージとしては、空気圧縮機は扇風機、タービンは風車と考えていただけたらと思います。風車は風が来れば回りますが、扇風機は回すために電源が必要ですよね。実は、ガスタービンは、風車(タービン)で作ったエネルギーの一部を使って、扇風機(圧縮機)を回しているのです。

空気圧縮機部とタービン部の比較

6.排気

最後が排気です。タービンを通った燃焼ガスが、排気部を通って排出されます。

排気部

排ガスはそのまま大気放出されることも有りますが、約550℃と高温のため、ボイラに導入されて蒸気発生のための熱源として活用されることが多いす。

また、大型ガスタービンでは排ガスを使って蒸気を作り、その蒸気でさらに蒸気タービンを回すことで、ダブル発電をして発電効率を高めているプラントもあります。(=GTCC ガスタービンコンバインドサイクル)

GTCCプラント

■まとめ

いかがでしたでしょうか!本記事では、ガスタービンの仕組みについて簡単に説明しました。 引き続きお役立ち情報を配信して参りますのでよろしくお願いいたします。

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